皆さんこんにちは!
三友工務店設計の藤山(とうやま)です。
ここでクイズですが、この地図は何の地図でしょうか?
答えは、
国交省の提供している”地点別浸水シミュレーション検索システム”、
通称“浸水ナビ”です。
河川が氾濫した際にどこの堤防が決壊し、
最大どの程度の範囲で、どの程度の時間浸水するか、
全国各地で検索することができます。
お住まいの地域を検索されて避難計画を立てられたり、
新築をご検討される際の土地選びの参考にされるとよいかもしれません。
ただ、目下データベース構築中につき、
先述のようなデータが得られる地域はまだ限られています。
熊本市ではまだ浸水想定域が大雑把にわかるだけです。
下の画像の黄色い範囲が浸水想定域です。
パッとみたところ九州で詳細なデータが確認できるのは、
佐賀、鹿児島、宮崎などごく限られたエリアのようです。
ちなみに上の画像は宮崎県児湯郡高鍋町持田という場所を適当にクリックしたところです。
×印の堤防が決壊した際に、最大3m程度浸水することが予想されます。
余談ですが、私の祖父は熊本中央郵便局勤務時代に1953年(昭和28年)の白川大水害を経験しており、
家を建てる際にはその当時の見聞から浸水しなかった土地を選んだと語っておりました。
私自身も小学6年生の頃、
1995年(平成7年)の阪神大震災のニュースで頻出する“活断層”という単語を知り、
地元の熊本で調べたところ、布田川断層という断層の存在を見つけ、
当時、ちょうど新期造山帯、安定陸塊、楯状地などといった地域分類を社会科で習っていたので、
いつかは楯状地のカナダに引越そうと思い、とりあえずは佐賀の学校に進学したものでした。
今思えばまさかのタイミングで帰熊したのですが(笑)
なお、なぜアメリカやオーストラリアではなくカナダであったかは、
他にも色々理由があるのですが、それはまた別の機会に。
今住んでいるマンションを借りる際も、
移動手段が自転車しかないため、
できるだけ会社から近く、なおかつ風雨、地震、河川氾濫のうち、
地震以外はなんとか持ちこたえられる場所を基準に選びました。
勿論お金がないので家賃がかなりのウェイトを占めていましたが(笑)
結局、血は争えないというか、
祖父も私も考えることは一緒ですね。
勿論、予見ができれば何でもうまく行く、というものではありません。
ただ、気持ちに備えがあることは大事ではないでしょうか?
震災後のニュースの初期に、
“地震が来るとは思っていなかった。”
“もっと行政が周知してくれていれば。”
といった被災者の方の発言が散見されショックを受けたのも事実です。
自分の地域について、小学6年生でも調べられるのです。
そして、祖父の時代よりも、私の小学生の頃よりも、
もっと自分の地域の安全性については手軽に調べられるようになっています。
省庁のHPに行けば大概のことは統計資料などを見つけることが可能です。
まずはご自分の地域で疑問に思われることがあられたら、
“熊本、地震“などとインターネットなどで検索されてみたらよいと思います。
何も役所、図書館、研究機関で実地に照会せずとも調べられることはたくさんあります。
PC、スマートフォンなどをお持ちでない方は、
お子さんやお孫さんに検索してもらって、会話のきっかけにされてもよいのではないでしょうか?
かくいう私も今回ご紹介しました”浸水ナビ”については、
社内で回覧されている業界向けの新聞にて初めて知りました。
寧ろ知るのが遅すぎたのかもしれませんが…
とにかく、何かを知るきっかけは必ず近くに転がっているので、
出会った際には活かせるように努力していきたいものです。