今回から3回に分けまして、この度(社)日本増改築産業協会(通称ジェルコ)九州支部の
リフォームデザインコンテストにて受賞しました作品をご紹介いたします。
各作品共に受賞は致しましたが、審査員の先生方から厳しい批評,貴重なご意見も頂いています。
今後の反省材料として、次に活かして参りたいと思います。
優秀賞
テーマ: 広い土間玄関は
気兼ねなしの交流スペース
設計担当:三宮健司
現場担当:田中繁廣
作品批評
西岡先生 : 改修のコンセプトは良い。
但し、高齢者にこの階段はどうか
寒竹先生 :上手に現存のものを利用して、趣のある素敵な空間になっています。
古いデザイン+飾り床・建具のアクセントが効いていて、入った時に
とても素敵な印象を受ける玄関です。
笠先生 : 部分数を減らす事で得られる豊かさが実現できており、とても共感い
たします。デザインのクオリティーも高く優れた作品です。
設計コンセプト:三宮健司
当初のI様邸は、生活の大半が北側の暗くて寒い場所が中心でした。
ほとんど倉庫化した南向きの部屋や寒くて使いにくい北側の浴室、広すぎて使いにくいキッチン、
それに各部屋毎にある段差、また、玄関も狭くて段差がいくつかあるなど、年配の方にとってはかなり過酷な生活環境でした。
そこで、下記のようなことを中心に改修計画を進めました。
1) できるだけ南側に生活の場をもってくる
2) 生活設備を一新し、かつ使いやすい動線にまとめる
3) 家の顔ともいえる玄関を広くする
4) 必要のない部分は思い切って減築する
5) 断熱材の施工、すきまの解消等、断熱・気密性能の向上
また、事前の調査で、屋根裏にはとても立派な梁が組まれていることがわかり、
ぜひそれらを表に見せたいと考え、要所要所で構造材を見せるように工夫しました。
ビフォーアフターの写真です。
着工前玄関
完成写真
着工前
完成写真
お客様の声
■ リフォームした家はどんな家ですか
今から52、3年くらい前に建てられた木造二階建ての家です。
父が亡くなってからは母が一人で暮らしていましたが、老朽化がひどく、トイレも昔の汲み取り式。
台所も汚くて使いづらく、衛生面でも問題がありました。段差もあって危ないし、そして何より、
冬は家中のどこにいても寒く、年老いた母にはとても快適とは言い難い環境でした。
■ 建て替えは考えませんでしたか
父が建てた家で、母も嫁いでからずっと暮らして来た家です。
私も幼少時代を過ごした思い出の多い家なので、建て替えは考えませんでした。
■ 三友工務店はどのようにして知りましたか
ネットの検索です。熊本のリフォーム会社で検索して、一番最初に出てきたのが三友工務店さんでした。
ホームページを見ると実績もあり、熊本でもトップで仕事をしている会社だなと思い、
電話で問い合わせたのが事の始まりです。実はこれまでにも何度かリフォームはしていて、今回が三度目
のリフォーム。
最初はこれまでお願いしていたA社に頼んだんですが、いろいろ行き違いがあってダメになり、
次いで頼んだB社も同じような感じでダメになり、そんな中で三友工務店さんと出会い、
縁あってお願いすることとなりました。
■ 三友工務店の対応はいかがでしたか
電話も丁寧で、とてもきめ細やかな対応をしてくれました。工事が始まってからも現場での目配り、
気配りが徹底していて、これはさすがだなと思いました。普通は側溝までしないのに、
2トン車2台分の土を運んできて側溝を上げてくれたのには、近所の人たちからも評判でした。
また、現場では何度も変更があったんですが、嫌な顔をされるでもなく、手早く丁寧に対応して
もらえたのも良かったです。ここはこうして下さいと言うと、その場でパソコンを使ってイメージ
を見せて下さったのは、とても分かりやすくて良かったです。
■ リフォームでこだわった点を教えてください
前のリフォームで天井を張ってしまい、それで隠れてしまった梁を再び見せたいと思いました。
土間にキッチンと洋間を造っていたのも、段差があって使いにくかったので、ここも便利にしたかったし、
増築した風呂も家中にうまく収めたかったです。
母は、冬も暖かいように断熱材を床にも入れてもらうことと、足腰が弱くなってきたので
全館バリアフリーが希望でした。
最初は特にこだわりはなかったんですが、新築ではなく実際に建っていて、しかも今まで暮らしてきた家な
ので、工事が進むうちにイメージが違ってきて、いろいろ変更をしてもらいました。
母にはやはり歳を取っても女性ですし、家と一緒に気持ちも若返ってもらいたいと思って、
テーマカラーにピンクを選びました。玄関ホールや壁紙など、あちこちに使っています。
■ 実際の住み心地はいかがですか
まだ本格的な生活はしていませんが、まるで新築みたいだと母もとても喜んでいます。
昔の梁を見せて、床柱や使える建具はそのままに、暮らしよく造って下さいました。
茶の間を風呂場とトイレにしたので、水回りも一カ所にまとまって便利です。
そして何より部屋が清潔で暖かいのが一番で、脱衣所にはドライヤーやヒーターにもなる
浴室暖房を入れてもらいました。これで母も快適に暮らせることでしょう。
今後、濡れ縁や離れ、母屋も手を加えていきたいので、また何かの時には三友工務店さんにお願いした
いと 思います。
(お母様談)
昭和33年に建てた家で、その2年後に私が嫁いで来ました。当時、山林を所有していいて、
梁などの材木はその山の木を切り出して建てたそうです。
また、和室の床柱は主人が酒と交換でもらって来たものと聞いています。
そんな思い出のある家なので、リフォームで住み継いでいけるのがとてもうれしく思っています。
梁も昔のままになったし、使える建具はそのまま使ってもらったし、明るく快適な住まいになりました。