熊本地震の本震から2週間が過ぎました。
当社で受けた復旧依頼は350件を超え、余震が落ち着くに従い今後も増え続けることが予
想されます。
大きな被害を受けた建物の多くは、1981年6月以前に建てたと思われる住宅でした。
築年数でいうと、築35年以上の建物です。特に2階建ての住宅の被害が大きいです。
理由は、
1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され、新耐震基準が出来たからです。
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コトバンクの朝日新聞掲載「キーワード」の解説
新耐震基準と旧基準の違い
78年に発生した宮城県沖地震(死者16人)をきっかけに新基準に移行した。新基準では、地
震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がお
かれた。旧基準の「震度5程度の地震に耐えうる住宅」との規定は、新基準では「震度6強
以上の地震で倒れない住宅」と変わった。
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また、今回の地震被害復旧で廻って感じたことは、
私が調査した範囲では、新耐震以降の住宅への大きな被害は、あまりありませんでした。
築年数が古い住宅でも、適切に耐震補強された建物への被害は少なかったです。
比較的新しい住宅への被害は、軽微な損傷がほとんどでした。
あくまでも当社に調査のご依頼があった建物を見て回った印象ですが、、、
当社で受けた依頼。
・屋根瓦が落ちたので直して欲しい
・屋根を軽い瓦に葺き替えて欲しい
・このまま住めるかどうか見て欲しい
・外壁が落ちたので直して欲しい
・室内外の壁にヒビが入っているので見て欲しい
・サッシが外れたので修理して欲しい
・建具が開かなくなったので調整して欲しい
・ガラスが割れたので修理して欲しい
・エコキュート、電気温水器が転倒したので修理して欲しい
・風呂場のタイルが剥がれたので修理して欲しい
・ブロックが倒れたので撤去して欲しい
・解体して欲しい
・落ち着いたら耐震補強して欲しい
他にも色々なご依頼を受けています。
また、今回の地震で驚いたことは、
大きな被害を受けた益城はもちろんですが、熊本市内でも地域によって被害が酷い一帯が
有ったことです。今後調査が進めば、被害分布図のような資料が出てくると思いますが、
建物の耐震性ばかりに注目するのではなく、建っている地盤の強さ弱さにも大きく影響を
受ける事を改めて感じました。