今から40年ほど前に当社で建てたお家です。
延べ床面積45坪、2階建て。
新耐震規準前の建物で、お施主様からのご依頼で11年前に耐震診断をしておりました。
その際、外部に外付ホールダウン金物を6カ所取り付けていましたが、
その1カ所がこの度の熊本地震を受け、このように損傷を受けました。
ちょうど2階の隅柱直下で、かなりの引き抜き力が加わったことが予想されます。
もし外付ホールダウン金物を取り付けていなかったら、柱が土台から抜けて建物が大きく傾いていたかもしれません。
他の5カ所に損傷はありませんでした。
現行規準では、ホールダウン金物を計算結果に基づいて取り付けるようになっていますが、
40年前の当時の規準には有りませんでした。
今回の熊本地震で倒壊した住宅の多くが新耐震規準前の建物で、
このような形で大きな引き抜き力がかかって柱が土台から抜けています。
特に、建物の四隅の柱で引き抜き力が大きいので注意が必要です。
このまま改修して住むことも可能ですが、
家が大きいので相当な費用が掛かることが予想されます。
またお施主様からも「今は世帯人数も変わり2階をほとんど使っていないので、
こんなに広くなくても良い」とのご要望も有り、
結果的には、今の家族構成にあった小さな平屋に建て替えられることになりました。
今の家は私の父の時代にお世話になり、今度の建て替えは私がお世話になることになりました。
父子2代にわたり家づくりに携わらせて頂き、本当に感謝している所です。
いい家をつくって、恩返ししたいと思います。