昨年10月にお引き渡し致しましたU様邸にお伺いし、
実際に床下エアコン1台で家を丸ごと暖める空調システムの効果を体感してきました。
温度センサーを使って
全ての部屋の床下吹き出し口を確認いたしましたが、
多少のばらつきはあるものの、
概ね想定の温度を維持していました。
吹き出し口の温風は28.4度
床面の温度は26.3度、湿度48%
お客様に感想をお伺いしたところ、
非常に快適で電気代も安いとのことでした。
今回採用しました床下エアコンを使って家全体を暖めるシステムは、
「パッシブ冷暖」です。
工事に先立ち、
開発メーカーの方を招き社内向けの現場研修を受けた際の写真です。
参加したのは、当社設計スタッフ、工務スタッフ、棟梁、電気屋さんの総勢20名。
約2時間にわたり、システム提供メーカーの方から現地指導を受けました。
仕組み
暖房の場合、床暖房のような輻射熱を利用して足元から暖める暖房設備は快適です。パッシブ冷暖も足元から暖める仕組みですが、一般的な床暖房とは考え方が異なります。一般的な床暖房は、床の直下に電熱線を敷くか、ポリエチレン管を設置してお湯を循環させて床を暖めます。ただし、温度が上がるのは配管や電熱線がある部分だけなので、人の触れない家具の下や部屋の隅は冷たいままです。また、設置コストが高いため、LDKなどに限定して設置することが一般的です。
一方、パッシブ冷暖はエアコンによる温風を床下の分配ボックスとダクトを介して振り分け、床下全体に暖気を溜めます。そのため、1階床下全体の表面温度が高くなり、一般的な床暖房より快適性の高い環境がつくれるのです。
床下空間に広がった暖気で床全体が暖められ、やがて室内もゆっくりと暖まります。