今年2月から工事に着手している、
熊本県発注の「林業研究指導所研修施設等新築工事」の木材製品検査に立ち会いました。
事前打ち合わせ状況
当工事は大型の木造建築で、今回は柱・梁に使用するBP材用の製材検査です。
BP材は商品名で、正式には接着重ね材といいます。
BP材のパンフレット抜粋
検査内容は、
〇 外観目視検査・・・材寸法の確認と割れ・反り等を確認。
〇 ヤング係数測定・・・動的弾性係数の非破壊測定方法(縦振動法)
〇 含水率測定
興味深かったのはヤング係数測定。
ヤング係数は、材料の固さを表す指標の1つで、
この数値が高いほど強度があり、変形しにくい材料です。
木は山に生えていますので、
生育した場所によって人と同じで育ちも違います。
同じ山で育っていても、
生えている場所や日当たり具合、地面の状況など、
少しずつ異なります。
その為、人に個性があるのと同じように木にも個性があり、
同じ場所で伐採された木であっても強度が違う場合があります。
今回のような大断面構造でヤング係数を予め指定してある場合は、
それぞれの木材が指定強度を満たしているかの検査が必要となります。
検査方法は、
まず木材の短辺、長辺、材長の寸法、重量を1本ずつ測定します。
そして木口面を芯に向かってプラスチックハンマーで叩き、
パソコンに接続したマイクで打撃音の周波数を測定し、
専用のソフトを使って解析するものです。
その数値を元に基準強度を算出して等級とします。
私は実際に負荷をかけて測定するものだと思っていましたが、
非破壊測定方法があることを知りませんでした。
今回の工事では、
場所によりE90、E70の材料が必要とされました。
検査状況
既に検査が終わった製品の確認をする五瀬君
検査済みの製品の木口面には、
ヤング係数の数値が記載されていました。
ヤング係数を測定している作業の様子
重量確認
木口面を叩いて打撃音の周波数を測定
専用のソフトを使って解析中。
含水率の確認
叩き方によって数値が変わるのではないかと指摘したところ、
実際に私が叩くことに。
誰が叩いても数値は変わらないようですね。。。(笑)
加工場に移動して、
別の物件に使うために既に出来上がった製品を見学。
BP材はこんな製品です。
国の施策もあり大規模な木造建築が増えることが予想されますので、
今後は、こういった製品が増えてくるのでしょうね。
棟上げは5月連休明け頃からになる予定です。
大型の木造建築ですので、
どうやって組み上げていくのか楽しみです。