昭和30年代
そうやって仕事も増えることで、社員の人数も増えたと思うんですが、当時、社長として社員の皆さんにはどんなことを言っていたんでしょうか?心構えと言うか、理念として。創業者:私が言っていたのは、『お客さんと絶対にトラブルを起こしてはいけない』ということ、それから『我を張らないで、例え自分は“これがいい”と思っても、お客さんの言う事はよく聞け』と言っていましたね。『どうしてもという時は俺が出って責任を取るから』と。職人さんは“もっこす”が多いけど、我を張ったりしていると仕事が減って来ます。お客さんから、『あそこの職人はこっちが意見を言うても、もっこすで聞かっさん』というのは、結局悪口みたいなもんですから…。
そうじゃなくて、『あそこの職人は真面目で腕もいいぞ』と言われる方がヨカですもんね。普通の人たちは、本当に職人が上手か下手かということは分からないと思いますよ。ただ、やっぱりお客さんにちゃんと挨拶したり、喜んでもらう事で、お客さんを気持ち良くさせられる。お客さんにしてみれば、上手な人が作っても下手な人が作っても、仕上がってみるとあんまり変わらないですからね(笑)。仕事の早い、遅いはあるだろうけど。昔は、『俺はそがんとせん!』とか言っていた頑固な職人さんもいたらしいですけど、『今はそういう時代と違うぞ』と言ってきかせてましたね。
昔の職人さんは頑固な方が多かったようですね。
私が三友工務店に入社した30年以上前にも、そういった頑固な職人さんがチラホラいらっしゃいました。
裏表がなく人間性にあふれた方が多く、実際話していると楽しいです。
ただ仕事で自分のやり方が通らないと「そがんとせん!」といわれる方が私の時代にもいらっしゃいました。
父は『「今はそういう時代と違うぞ」と言ってきかせてましたね。』と言っていますが、
この父も頑固な性格で、お客様から何を言われたのか知りませんが「家ば引き倒してやり直せ!」と言っていたのを覚えています。。。(笑)
さすがに今は、そのような職人さんはほとんどいないと思います。
いたとしても、お客様どころか工務スタッフにも受け入れられなくなってきました。
また父が言うように、仕上がりの善し悪しは一般の方には分かりにくいと思います。
それだけに、仕事は勿論のこと、お客様が見て分かる挨拶や掃除などの注意を怠らなかったのでしょう。
現場廻りの合間に事務所で図面を引く先代