堅実な経営で着実に
まあ、時代の流れに合わせて仕事をしていかないといけない時代だということでしょうねぇ。今の世の中は公共工事もだんだん減ってきましたし、業界の中でも倒産したり破産したりした会社も多い。私もずっと無借金経営をしてきて、“借金までして仕事をするな”と思っていました。振り返って良かったと思うのは、バブルの時には銀行から借金して土地を買ったという人も多くて、私のところにもそういう話がありましたが、私はやらなかった。儲かった時は良かったかもしれませんが、高く売るつもりの土地が安くなって、それで倒産した会社もありましたよ。それだけは私もツイていたというかね。会社が厳しい時期もありましたけど、大きい、危ない仕事に手を出しませんでした。議員さんを使って仕事を取ってもらって、大きくなった会社もあります。しかしそれで成功したものよりも失敗した方が多いと思うんです。その点私は、議員さんに頭を下げて、仕事をもらって、お礼をしたり…。そういうことはしませんでした。だから、あんまり大きくもなれずに(笑)、ずーっとボチボチ、細く長く来たわけですね。ジワジワと。
私が大学生の頃、
いまは解体されてありませんが、
熊本市産業文化会館の仕事を
大手建設会社と初めて共同企業体を組み受注しています。
当時としては大きな仕事でしたが、
悪条件が重なり結果として赤字になったと聞きました。
この時は、さすがに会社も厳しくなったようです。
私はその時、
のんきな学生生活を送っておりました。
後にその事を知り、驚きました。
父は常々、
“借金までして仕事をするな”と言っておりました。
また「デキモンは大きくなっとつぶれる」
「だから会社は大きくせんでよか」
とも言っておりました。
バブル景気は、
私が三友工務店に入社した辺りから始まりました。
廻りからは色々なお誘いがあったようですが、
父は乗りませんでした。
その為、景気とは裏腹に
当時の三友工務店はバブルとは無縁で、
日々変わらず地道な仕事しかありませんでした。
お陰で、バブル崩壊後に立ちゆかなくなった
建設会社もたくさんありましたが、
当社への影響はありませんでした。
父には感謝しています。
私が経営上のモットーとしているのは
「堅く、細く、永く」です。
これは父のインタビューのなかにあった、
「だから、あんまり大きくもなれずに(笑)、ずーっとボチボチ、細く長く来たわけですね。ジワジワと。」
からきています。