建築でよく使う言葉に「ハリ→梁」という言葉があります。
私は大学で建築を学んで以降、
これまで40年以上に渡って「鿄」という漢字を使っていました。
先日、何かしらこの字が気になって電子辞書で調べてみると「鿄」ではなく「梁」とでます。
インターネットで検索しても「梁」としか出ません。
え?私はこれまでずっと間違っていたの?と思い、
2階に居合わせたスタッフに聞いて回りました。
なんと、若手の坂本さん以外は全員私と同じ「鿄」と書きました。
どうなっているのかとさらに調べたところ、
「鿄」は「梁」の略字であることが判明致しました。
「朝日字体の時代 12 – ことばマガジン:朝日新聞デジタル」に違いが載っておりました。
は、梁(はり)の略字。康熙字典体では右上が「刀の両サイドに点」ですが、書体帳の字体は「刃」になっています。当用漢字の新字体にこのパターンの略し方はありませんが、古くから手書きで使われてきた形をとったものです。
建築関係者のほとんどが、いまでも「鿄」を使っています。
当時の建築系の教科書には「ハリ」は略字の「鿄」と表記されていたのだと思います。
私はコラムなどで「棟梁」「柱梁」などという用語をよく使いますが、
これまで「鿄」と「梁」の違いにまったく気付かなかったです。
他のスタッフに聞いても、ハリは「鿄」だと思い込んでいたようで
誰一人違いに気付いていませんでした。
パソコンではしっかり「梁」と表記されているのにも関わらずです。
思い込み、慣れというのは怖いなぁと改めて思いました。