前号からの続きです。
当時、社長であった私の父が、業界団体の会合の帰りに交通事故にあいました。
その夜は雨が降っていて、私も自宅でノンビリと寛いでおりました。
玄関チャイムが鳴りますので何ごとかと思って出てみると、
「自宅前で人が車にはねられたので救急車を呼んで下さい」との連絡でした。
外に出ると、タクシーを降りた父が道路を横断しようとして車にはねられ、
用水路に転落していることが分かりました。
首の骨を折る重傷で、助かっても現場復帰は難しいと思われるような事態となりました。
入社して間もない頃なので、
この先どうなるのかと不安で眠れない夜を過ごしたことを今でも覚えています。
幸いなことに父の堅い経営のお陰で借金はなかったので、
会社が潰れることはないだろうと思いましたが、
バブル景気に陰りが見えはじめてきた頃に交通事故という突然の出来事。
業界では三友さんは危ないのではないか、との情報も流れていたと思います。
いま振り返ってもゾッと致します。
奇跡的に父は半年で復帰して事なきを得ましたが、
さすがに今まで通りとはいかず、
少しずつ私の方に仕事を引き継いでいきました。
結果としては、この時の事故のお陰で、
偶然にも世代交代が進み、
私がやりたいようにやらせてくれるきっかけとなり、
現在の三友工務店につながっています。
よく考えてみると、今の私とちょうど同じ位の年齢です。
私はその時30代半ばでした。
以降、その時の事を肝に銘じ、何があっても潰れない会社を目指して、
「堅く、細く、永く」をモットーに、ゆるやかに成長しながら、
安定経営を心がけている次第です。