当社の創業は昭和28年8月1日。
西暦でいうと1953年です。
昭和28年の白川大水害(6.26水害)の直後に創業しています。
創業者は父:古閑靖通で、私が2代目。
父がまだ元気な頃に創業時の思い出などを第三者にお願いしてインタビューしています。
それをまとめたものがホームページに掲載している「創業の精神」です。
今月は創業月という事もありますので、
これまで何度か紹介していて恐縮ですが、
ここで改めて会社の成り立ちまでをザックリと振り返って見たいと思います。
父は大正15年3月5日生まれ、12年前に他界しましたが、生きていれば96歳です。
子ども時代は勉強があまり好きではなく、家に帰ると鞄を投げ出して遊んでいた、
という話は良く聞いておりました。
代わりに運動神経は相当良かったようで、
スポーツはなんでもこなせる万能選手だったようです。
私が知るゴルフに関していえば、
たぶん40代くらいからお付き合いで始めていますが、
私と違い体も大きかったので球は飛ぶし、
器用で小技も上手く、直ぐに上達して相当な腕前でした。
いまでも父を知る方からは、
私のゴルフを見て“古閑さんはお父さんの血筋ば引いとらんごたっね”
とよく言われます。。。(笑)
また父は小さい頃から親分肌の所があり、
みんなから頼りにされ、大人からも可愛がられていたようです。
生まれながらに処世術を身につけていたような気がします。
親分肌にしろ、運動神経にしろ、私とはまったく違います。
父が熊本工業高校の建築科を志望したとき、
祖父は、“そんなやくざな世界はやめろ”と言ったと聞いています。
当時の建設業界がよほど怖い世界に見えたのでしょうね。
父はなりたい職業はとくになかったと言っておりますが、
祖父の反対を押し切ってこの世界に飛び込んだわけですから、
何か考えはあったのだと想像します。
高校卒業後は軍関係の第六師団経理部工務科に就職しています。
口では言いませんが、やはり祖父の思いが伝わったのでしょう。
終戦後は、西松建設に入って現場監督として働いています。
しばらくして西松建設を辞め、
熊本市内で独立して土地家屋調査士の仕事を始めています。
土地家屋調査士の仕事がスタートと知り驚きました。
また、父が土地家屋調査士の資格を持っていたことも、この時初めて知りました。
勉強嫌いとはいいながらも、
父は将来を見据えてそれなりに勉強していたのだと思いました。
このように独立当初は土地家屋調査士の仕事がメインで、
建物の修繕をかけもちしていたわけですが、
先にも書きましたように
昭和28年の白川大水害直後の8月1日に建設会社を個人創業しています。
創業期は個人住宅の修理や増改築をやりながら、
友人・知人の助けを借りてぼつぼつと仕事をしていたようです。
これまでの監督的な仕事ではなく、
自らリヤカーを引いて大工と一緒に修繕工事をしていたと聞いています。
その後、“いい仕事ばしなさる”と口づてに広がり仕事も順調に増えてきて、
4年後の昭和32年1月に法人としては一番信用がある合資会社三友工務店を設立し、
1998年9月に合資会社から株式会社に変更して現在に至っております。
現場廻りの合間に事務所で図面を引く父。
地鎮祭での一コマ
キリッとした立ち姿から頑固一徹な性格が伺えます。
会社の作業場を遊び場にしていた私です。
「三友工務店」という名称については、
初めは気の合う仲間3人で会社を興そうとして、
その時「三友工務店」という名前が上がった、との事。
最終的には自分1人で会社を興すことになったが、古閑家の家紋の「三」とも重なって、
いいネーミングだと本人も気に入ってそのまま使ったと聞いています。
古閑家の家紋
また、会社マークも同じです。
井桁に三でラッキーセブンの7画で、字画も良かったので、
この家紋を会社のマークとしてそのまま使ったと聞きました。
最後に、
父は常々、“借金までして仕事をするな”と言っておりました。
また「デキモンは大きくなっとつぶれる」「だから会社は大きくせんでよか」とも言っておりました。
バブル景気は私が三友工務店に入社した辺りから始まりました。
廻りからは色々なお誘いがあったようですが、父は乗りませんでした。
その為、景気とは裏腹に当時の三友工務店はバブルとは無縁で、
日々変わらず地道な仕事しかありませんでした。
お陰で、バブル崩壊後に立ちゆかなくなった建設会社もたくさんありましたが、
当社への影響はありませんでした。
父には感謝しています。
私が経営上のモットーとしているのは「堅く、細く、永く」です。
これは父のインタビューのなかにあった、
「だから、あんまり大きくもなれずに(笑)、ずーっとボチボチ、細く長く来たわけですね。ジワジワと。」からきています。
この「創業の精神」を心に刻み、
時代に合わせて新しい事にも果敢に挑戦しながら、
「堅く、細く、永く」をモットーに、これからも頑張って参ります。