- 一般社団法人 日本増改築産業協会(ジェルコ)リフォームデザインコンテスト 2013九州支部
- 審査員賞「薪ストーブのある風景。ゆるやかに時が流れるリビング」
施工情報(山鹿市K様邸)
構造 | 木造2階建て |
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工事床面積 | 101.0㎡(30.6坪) |
築年数 | 80年 |
家族構成 | 夫婦+父母 |
設計のポイント
以下の項目を意識して改修を進めていきました。
・暖炉を中心とした団欒LDKの創出
・玄関らしさの演出
・快適な水廻り空間
・慣れ親しんだ空間の延長線上のリフォーム
山間地に立地する為冬場の寒さが厳しい環境。暖房として薪暖炉を使いたいというご要望があり、暖炉を中心にリビング、ダイニングキッチンを構成しなおしました。
玄関は一部が階段下になっていて、色調が暗い為に玄関らしさに乏しい。そこで白い壁と階段を隠すような天井の形状を工夫することで、モダンで明るい玄関になるようにしました。内装は手持ちの山から切り出して使っているという檜のフローリングはそのまま残し、新規の部材も古い素材に馴染むような材質、色調とし、全てが昔からあったような空間にしています。年配の方にとっては、急に環境が変わると、そこに順応するのに時間がかかったりします。ここでは、これまでの慣れ親しんだ生活の延長でありながらも、快適性を向上させることを心がけました。
この度は、大変お世話になりました。遠い所、毎日通っていただき、おかげ様で快適な家ができました。大事に手入れし、次の世代につなげたいと思います。
お客様の声
今回、リフォームをしようを思ったきっかけを教えて下さい。
リフォームしようと思ったきっかけは、「主人が60歳になったこと」と「娘の結婚」が一番の要因です。浴室の痛みがひどく、また、床や天井など気にかかる所が出てきていて、それに加えて、冬場の室内の寒さが身にしみてくるようになっていた頃でもありました。下の子も大学を卒業し、いよいよ自分達夫婦のこれからを考えると、歳をとっても家事が楽にできるように、そして、修理などの手をかけなくていいようにと思い、今、元気なうちに家に手をかけておこうと思い、実行に移しました。
家に関する作業は全く初めてで、どこにお願いするのかも全くの白紙状態でした。手始めに、本屋さんで『くまもと家づくりの本』を買ってきて様子を見ることにしました。その中で私の気持ちを動かしたのが、「ちょっと上質で いっぱいこだわった 自然素材の家づくり」というキャッチコピー。「ハウスメーカーでは思うような家がつくれない…かといって建築家に頼むほどでもないけど、いい家を建てたい」……私の思っていることと全く同じでした。リフォームなので動かせない土台がある為、頭の中であれこれ考えても“形”ができず、次に進めずにいました。専門家の方にちょっと手伝ってもらえたらと思っていた矢先でした。営業さんがいないというのも、気持ちが楽になり資料請求に至りました。
資料が送られてきて一番感激したのは、直筆の文字でした。きれいな文字で丁寧に書かれ、再び心が動きました。
実際に建てられた家を見に行ったわけでもなく、費用の方も見当がつかないまま、その文章に誘われて相談に行った次第です。ほとんど“賭け”ですネ。
毎月送られてくる『快適生活』も、隅々まで読み、だんだん身近な存在になってきました。また、職員さんの平均年齢が高いというのも安心できる要因の一つだったのかもしれません。
今回のリフォームで苦労したところを教えてください。
一番苦労したのは、家族の気持ちや意見をまとめることです。
印象に残ったのは、2階の天井がはがれ、昔の梁や柱が出てきたことです。
私はこの家で生まれ、この家で育ちました。子供の頃に見た黒くなった柱や土壁などが現れ、懐かしい気持ちになりました。
一番のこだわりは“薪ストーブ”、それから“洗面所”。両方とも作ってもらったという感じがして好きです。
最後に、感想をお願いします。
今回初めて家づくりを一から見させてもらいましたが、そこで感じたのは、家は人の“手”で出来るということ。それもたくさんの“手”で出来るということです。
我が家のリフォームに携わっていただいた、たくさんの方々に改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。