学生寮の華麗なる転身！ 優しい色合いでつくる、シンプル＆ナチュラル

築25年くらいの女子学生寮でした。2階建ての全10室。父母が1階に住み込んで平成20年くらいまで営んでいましたが、その後、学校に新しい女子寮ができて学生さんが1人だけとなり、さらに父が病に倒れて他界したために女子寮は廃業となりました。この間、1階だけ不動産会社の事務所として貸していたこともありますが、3年くらい空き家となっていました。

両親の思い入れのある建物だったので、壊すのは忍びなく、それなら再び利用して住もうかということになり、リフォームを思い立ちました。

仕事関係で三友工務店さんにはお世話になっており、作村さんとも親しくさせていただいていたため、そういう縁もあってお願いすることとなりました。他社も色々と見て回り、中には見積もりまで出してもらった会社もありましたが、三友工務店さんは見学会などで実例を見させていただき、造り方がしっかりしていて、雰囲気もいいなと感じていました。

希望したのは、みんなが気軽に集まれる家です。主人の母、妻の父母と叔母がよく遊びに来るため、1階にミニキッチンとリビング、ダイニングを備えた宿泊室を用意しました。今はどちらの親も元気に頑張っていますが、ゆくゆくは同居も考えた造りになっています。

また、1階の玄関横に大容量の土間収納を設置。これは家族専用の玄関兼シューズクロークにもなっています。メインの生活の場は2階で、リビング、ダイニング、キッチン、さらに和室までをワンルームで広々と使えるようにしています。床を無垢材にしたのが気持ちよくて気に入っています。

設計の風間さんには動きやすさを一番に、風通しも考えて、その都度アドバイスをいただきました。キッチンの棚などは、私の「こういうのが欲しい」に対応して造作してもらいました。和室の引き戸も和風ではないようにしたいとイメージを伝えたところ、大きめの格子の入った障子戸を作ってくれ、それがモダンな感じで良く合っています。とにかく建物が広いので、なるべくお金をかけないようにしたいと相談したところ、安く仕上げられるような努力もしていただき、その対応には本当に感謝しています。

現場には毎週足を運びましたが、いつも仕上がりを見るのが楽しみでした。リフォームは新築と違って、開けてみないと分からない事も多く、構造の問題で出来ないこともあったのですが、それでも私たちの希望を十分に反映して良い家を造ってもらえたと思います。

共働きで私も仕事を持っているため、今まではバタバタすることが多かったのですが、新しい家では家事がパパッとこなせるのが気に入っています。パントリーをはじめ収納も多く、片づけもしやすいです。キッチンの棚も最初は90センチの引き戸だったものを、最終的には120センチにしてもらったおかげで、とても使いやすくなりました。その隣の収納棚は工事中の変更で低くしてもらったのですが、今の使い勝手の良さを考えれば、思い切って言ってよかったと思っています。和室の押入れを収納にしたので、洗濯・干す・収納が全てワンルームで完結し、とても楽です。

無垢の床が落ち着いた雰囲気を醸していて、動線も間取りも使いやすく、本当に良く考えられているなと思います。特に2階のLDK＋和室は寮の4室を潰してワンルームにしたことで、広い空間が生まれ、開放的で落ち着きます。子どもたちも口では新築が良かったと言っていますが、自分たちの部屋ができて喜んでいるようです。

訪れる親や叔母も良かったねと言ってくれ、中でも叔母は不動産関係の仕事をしていたため、値段と仕上がり具合を見比べてとても良心的な会社だと褒めていました。また、主人の母も古くなった建物が生まれ変わり、「家が喜んでいる」と言って、喜んでくれました。

将来は母たち、叔母と、そしてそのもっと将来には子どもたち家族と、ずっと住み継げる家にしていきたいと思います。

打ち合わせの内容が現場に伝わっていないことが何度かありました。バルコニーは引き渡しの時に床が違っていて、すぐに対応してもらえたので良かったのですが、やはりリフォームは細かな仕様が多いため、設計と現場の相互チェック機能をもっと高めた方がいいかなと感じました。