- ジェルコリフォームデザインコンテスト2018デザイン部門 一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)
- 全壊からの復活全国部門別震災復興賞
- 第5回トクラスリフォーム選手権
- テーマカラーはオレンジ 地震に負けない「元気の出る家に!」九州エリア最優秀賞
施工情報(益城町K様邸)
構造 | 木造2階建て |
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築年数 | 築25年 |
家族構成 | ご夫婦+お子さん2人 |
設計のポイント
あの地震で被害をうけたけれど、壊すにはもったいない、そして家族の思い入れのある家。
築年数の浅い総2階建ての部分を残し、一体となるよう平屋を増築しました。
増築エリアは、玄関をはいると家族の顔がいつでもみえるリビングスペース。
改築エリアは2階にお子さま達の部屋、ご夫妻の生活は1階だけで完結するつくり。
半リノベーションですが、できあがりも住み心地も丸ごと新築の住まいです。
(設計の工夫点)
新築当時とは家族の年齢構成や生活スタイルが変化している。
現在50代になった御夫妻からの「今後のことを考えると、平屋のような生活をしたい」とのご要望をうけ、ご夫妻の寝室と仕事スペースを含めた基本的な生活空間がすべて1階で完結する住まいを提案した。
またシックハウス法および木造の継手・仕口の構造方法に関する平成12年建設省告示の2点が現行基準に適合していなかったため、熱交換型の換気システムを導入かつ内装仕上げには自然素材を用い、新たに構造計算に基づき耐震金物を取り付けることにより現行基準をクリアするとともに、室内環境の向上と耐震性能の向上をはかった。
(お施主様の感想)
どこにいても家族の気配が感じられる間取りは、まるで大きなリビングにいるようだとお子さん達にも好評です。
新築+リフォームも違和感なく、家具のほとんどを造作にしたため家中がすっきり片付きました。
また、家族で選んだ元気の出るテーマカラーのオレンジ色も随所にアクセントとして効いています。
お客様の声
元々のお家はどういう形状でしたか
母屋は築32年の平屋で、私(奥様)の両親が住んでいました。20年くらい前、そこに隣接して2階建てを新築し、2棟を繋げる形で2世帯住宅としました。2階建ての方は別の会社で建てたのですが、縁あって12年前に三友工務店さんで部分リフォームをしてもらっています。特に問題なく過ごしていましたが、昨年の熊本地震で母屋が全壊したことで、建て直すのか、リフォームするのかを考えなくてはならない状況となりました。
弊社を選んだいきさつを教えてください
突然の地震被害でショックと混乱の中、三友工務店さんに相談したところ、すぐに社長さんが家を見に来てくれました。その時は地震のショックもまだ冷めやらぬ時で、とにかく早くちゃんとした家に住みたいと思い、今すぐ壊して新築でも構わないと言ったのですが、社長さんからは母屋は仕方ないとしても2階建ての家は壊すにはもったいないし、金額的にもリノベーションの方が良いのではとのアドバイスをもらいました。最初は2階建ての家を活かしながら、さらに新築の家を増設するというプランが飲み込めず、本当にリノベーションなんて出来るのかと不安もありました。でも、社長さんから詳しく説明をしてもらい、また、以前お世話になったことから腕も人も信頼できると知っていたので、三友工務店さんにお願いすることにしました。
設計、工務、スタッフの対応はどうでしたか
プランは担当してくれた設計士の下田さんと平田さんがそれぞれ同時に提案してくれました。どちらの案も良かったのですが、下田さんの新築側にリビングとキッチン、ダイニングを、既存の2階建てに各個室と浴室を配置したプランが気に入ったので、下田さんのプランでいくことにしました。下田さんと平田さんのボケとツッコミのやり取りが楽しく、そこに工務の園田さんが加わって、とても良いチームだったと思います。何か分からないことがあっても、この3人のうち誰かに伝えておけば、きちんと回答が返ってきます。三友工務店さんには営業マンがいないのですが、この連携を見ていると営業マンは必要ないと感じました。また、現場の大工さんも仕事が丁寧で、話しかけにも気さくに応じてくれたのが良かったです。毎週末に現場を見に行くのが楽しみで、懐中電灯を携えて家族全員で家中を探検したのも良い思い出です。自分たちの家づくりの過程が見られるのは本当に興味深く、楽しい想い出でした。
家づくりで楽しかったこと、嬉しかったことはありますか
三友工務店さんとは20回近くの打ち合わせをしました。家の希望やイメージをうまく表現できない時でも、じっくりと話を聞いてくれ、最良の答えを導き、解決してくれたのがうれしかったです。また、工事が始まっても変更がきいたこと、新たな注文が入れられたことも良かったです。実は震災後すぐ、両親が同敷地内に別の住宅会社で家を建てたのですが、そこでは数回の打ち合わせで全てが決定してしまい、後では何も言えない感じでした。家が建つのは早かったものの、現場の人も話しかけにくい雰囲気。それと比べると、三友工務店さんは協力会社の人たちも皆さん感じが良いし、打ち合わせをするのも、棟梁と話をするのも、本当に楽しかったです。
困ったこと、心配だったことはありますか
特にありません。確かに着工するまでに随分と時間がかかりましたが、それは地震後の人手不足の物資不足の状況で仕方のないことですし、社長さんからも最初に2年はかかると言われていたので問題はなかったです。私ごとで言えば、地震被害に遭って混乱している中、早く家をなんとかしなければと焦るあまり、考えなしに全部壊して新築にしようとしていたのを、三友工務店さんが冷静にしてくれたというか。改めて思えば、2階建ての家は今まで家族が暮らしてきた想い出のある家で、とても気に入っていた家です。それを簡単に壊してしまうことなくリノベーションという形で残し、さらに暮らしやすく提案してくれた三友工務店さんに感謝しています。残念なことは、もう下田さんや平田さん、園田さんたちと打ち合わせが出来ないのが寂しいということくらいでしょうか。
新居の暮らし心地はどうですか
とても快適です。リビングの勾配天井は開放感があり、こだわって選んだオレンジ色のピアノ塗装仕上げのキッチンは使いやすくて気に入っています。我が家のテーマカラーがオレンジなので、ポストの色や玄関のタイルなど随所にアクセントで使っています。無垢の床板も心地良く、主人は12月にもかかわらず家では裸足のまま。居心地が良すぎてこのまま娘たちが嫁に行かないと言うのではないかと新たな心配ごとが増えました。うちは家族仲がよく、家に居る時は全員がほとんどリビングで過ごしているんですが、新しい家はどこにいても家族の気配が感じられ、まるでひとつの大きなリビングのよう。また、たくさん収納を造ってもらい、家具のほとんどを造作にしたため、家中がすっきり片付いたのも良かったです。両親も喜んでいます。
弊社について思ったことを忌憚なくどうぞ
三友工務店さんの家は、実際に住んでから工夫が分かりますね。仕事も丁寧で、造作もきちんと面取りがしてあって、本当に細かな所まで気を遣っていると感じます。リビングのテレビボードは最初壁と並行して造る予定でしたが、下田さんの提案で少し斜めに振ったことで部屋も広く感じられ、ダイニングやキッチンからもテレビを見ることが出来るようになりました。2階の洗面台の流し部分は工事中に少し小さいかなと思っていたのですが、こちらが言う前に平田さんが気付いて広いものと変えてくれました。こういう相手の立場になった気遣いが素晴らしいと思います。造船所で働いている兄弟がいるのですが、この家を見て仕事が丁寧だと感心していました。三友工務店さんのスタッフは一人ひとりが責任を持って、自分で考え、行動している。だから良い仕事が出来るんだと思います。
地震の後は母屋が全壊して、本当に落ち込んでいました。もうダメかと思い気も沈みがちでしたが、想い出のある家が復活していくのを見て、私もだんだん元気が戻ってきました。家の再生だけでなく、家族の心持ちまで再生してくれた三友工務店さんには感謝しています。
ありがとうございました。